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狐面の男に 愛されまして
第2章 不審な男に 絡まれまして
「おばけなんて失礼だね。僕は魔法使いだ」
「……」
冗談はやめてほしい。せめて
せめて忍者だということにしてほしい。
「……それ、魔法?」
「そうだよ魔法だ。便利だろう」
「──気味 ワルイ…」
いつもの妖精や、首がふたつの犬たちより気味が悪い。彼女はそう思った。
「──…」
それを聞いた男は、よく喋る口をやっと閉ざした。
その時──
「あ、ほらあそこ、また…」
「不思議ちゃんが花壇を見つめて突っ立ってる」
「誰もいないのにね……気味が──」
《 気味が悪い… 》
通りすがりの生徒の会話が背後に聞こえた。
「…っ」
それを聞いた彼女は顔を曇らせたけれど
狐男はなんと…クククと含み笑ったのだ。
失礼なお化け。
「似た者同士だねぇ…サチ」
「……」
──あ、そうかも…。