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狐面の男に 愛されまして
第4章 無知な自分は 騙されまして
ピカ...ピカ..
「……?」
ふいに奥の方で、鈍く光が見えた。
蛍でも飛んでいるのだろうか。
いやまさか、ここは濁り湯。蛍が棲んでいるような澄んだ水辺ではないのだから。
いや、それ以前にお湯なのだから。
そういえばさっき、火の玉みたいなのがぷかーっと林を彷徨っているのを見たから、それが戻ってきたのかもしれない。
彼女は無意識のうちに、顎までお湯に沈んで身を潜めていた。
(オンナノコ、オンナノコ ガ いるよ♪)
ぴょこん
「……」
(はじめまして♪)
「…だれ?」
岩影から現れたそれは、高音の可愛らしい声で挨拶してきた。