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狐面の男に 愛されまして
第4章 無知な自分は 騙されまして


ガシッ


「……」

「…っ…!? な、…何してるの?サチ…」

「……。(ムー…)」


シュウに横抱きにされている彼女は

不意に両手で彼の狐面を掴んだ。


グッ…


「ちょッ…ちょっと待ってよ、もげる、もげるよ!首が抜ける…!!」

「…?」

「取れないから!上に引っ張っても取れないから!お面の構造的にムリだから!」


そのお面は頭から首まですっぽり覆ってあるわけで…上に引っ張ったところで、物理的に顎が引っ掛かって抜けない。

どうやって被ったのかな

もしかしてこのまま…ずっと抜けないのかな。


「…取ってほしい。これ…」

「……っ」

「…はやく」


表情を変えないまま、情け容赦なく彼女は手に力を込める。

シュウは悲鳴に近い声で返した。








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