この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狐面の男に 愛されまして
第4章 無知な自分は 騙されまして
ガシッ
「……」
「…っ…!? な、…何してるの?サチ…」
「……。(ムー…)」
シュウに横抱きにされている彼女は
不意に両手で彼の狐面を掴んだ。
グッ…
「ちょッ…ちょっと待ってよ、もげる、もげるよ!首が抜ける…!!」
「…?」
「取れないから!上に引っ張っても取れないから!お面の構造的にムリだから!」
そのお面は頭から首まですっぽり覆ってあるわけで…上に引っ張ったところで、物理的に顎が引っ掛かって抜けない。
どうやって被ったのかな
もしかしてこのまま…ずっと抜けないのかな。
「…取ってほしい。これ…」
「……っ」
「…はやく」
表情を変えないまま、情け容赦なく彼女は手に力を込める。
シュウは悲鳴に近い声で返した。