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狐面の男に 愛されまして
第5章 おムコさんに 愛されまして
彼女を抱いた彼は、家の戸口に辿り着く。
「……!」
もしかして…サチのこの頑固な態度は…
「照れ隠し?」
「…っ」
「…なるほど、ね…」
表情に出さないから気づかなかったけれど、彼女の顔は少し赤くなっている。
言い当てられたことで益々赤くなった。
そして彼女は、自分をくるむ布の端を、ぎゅっと掴む。
「…可愛いなぁ、サチは」
「──…(ムッスー)」
機嫌を損ねているようにしか見えない彼女だけど…今ならわかるよ。
思いを素直に口にできない
そんな彼女が見せる、精一杯の動揺を。