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狐面の男に 愛されまして
第5章 おムコさんに 愛されまして
シュウは戸を開けて家に入った。
彼女が風呂に行っていた間に、部屋の様子は少しだけ変わっていた。
「…ねぇ、サチ」
「…ん」
真ん中にあった机がなくなり
そこには布団が一枚だけ敷かれている。
「さっきの話を覚えているかい?君が僕のお嫁さんだって話したろう」
「…!うん…」
──シュウが、彼女をおろしたのは
その布団の上。
おろされた彼女は布を胸の前で握ったまま、語りかけてくる狐の顔を見つめていた。
…少しだけ 怖かった。
彼は、彼女と向かい合うようにして、布団の横で膝をついて座る。