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狐面の男に 愛されまして
第5章 おムコさんに 愛されまして


彼女はもう高校生だ。


「やっぱり君は大人だよ…」

「……っ」

「…綺麗だ、サチ」


外の薄明かりに照らされるその身体は、しっかりと女の丸みと…柔らかさを持っていた。

身体を見られた彼女はやっぱり震えていたから

安心させるように、シュウは人差し指を彼女の紅唇に添えた。


何かのおまじないだろうか。


ツーーっと、唇からなぞりつつ下りた指は

顎から、喉へくだる。

細長い彼の指が喉を通るタイミングに合わせて、彼女はおおきく唾を呑んだ。


喉を下りたら、その先は……


鎖骨の間を通り抜けたら、そして……



ゴク..ッ



「怖がっては、いけない…」



低い声で、そんな言葉が彼女にかけられる。



そっか…微笑みって

相手の緊張を、ほぐそうとする、そのための表情なんだね。

──シュウの目を見た彼女は思った。



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