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狐面の男に 愛されまして
第1章 気味が悪いと 嫌われまして
それなりに美少女だったから、不思議ちゃんの不思議な魅力は、男たちを惑わした。
だからよけいに女に嫌われた。
『 ああいうキャラってさ…やり過ぎるとイタイ子にしか見えないんだけど 』
『 私たちには、にこりともしないのにネ 』
『 そうそう 』
彼女が不意に無表情を崩すと盛り上がる男子。
囁かれる女子の陰口。
──…彼女は益々、表情を無くした。
『 不思議ちゃん…また変なところ見てるね 』
『 不思議ちゃん…急に立ち止まったりしてどうしたのかな。気持ちわるー 』
『 私、知ってるの。不思議ちゃんって夜の校舎で毎日ひとりで…… 』
不思議ちゃん
…不思議、……?
「──…」
「サチ」