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刺繍のような詩集のような。
第9章 免罪符を貴方に
毎月、第3金曜日の時間だけを、私にくれる貴方

毎月、第3金曜日の身体だけを、貴方にあげる私





3年以上続く、この関係は

惨憺たる結果にしか続かない





分かっているのに、終止符を打てない私

それを知らずに、裸の私に毛布をかける貴方





「今の奥さんと喧嘩が絶えないんだ」

そう言ってる癖に

私と会う日は、毎月1回

決して、会う回数は増えない





「別れるかもしれない」

そう言われて、

罪悪感と優越感が、混ざり合って吐き気に変わる

貴方と奥さんの間を引き裂いたかもしれない罪の意識

貴方を私のものに出来るかもしれない勝ち誇った思い

そんなキモチを抱く、自分を責める、私の中の私





ある朝、貴方が帰ろうとしてるのに

初めて私は泣いた

泣いて引き止めた

引き止めて、縋った

「たまには、一緒に過ごしたい」

土曜日の朝、ベッドの上で泣きじゃくる私にキスをして

「必ず、また連絡するから」

貴方は、微笑んだ





「子供の七五三なんだ」

「ビデオを回すって約束しちゃってるからさ」

「来週の金曜なら、都合がつくかもしれないし」





何の都合?

嘘の都合?

別れるって言ってたのは、嘘だったの?

私にも嘘をついてるの?

奥さんに嘘をついてるみたいに?





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