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ネムリヒメ.
第17章  極上スイーツ.




「そ、それよりもっ」

「あ!?」


聖くんの仕事相手って、渚くんなの?

っていうか、貴殿方はいったい…


「渚くんはどうしてここにいるの…?」

「は、どうしてって…」


慌ててる割には冷静に浮かんだ疑問を口にすると

彼はコーヒーを片手に、アタシの口の端から垂れそうになったキャラメルソースを長い指先で拭って口へ運んだ


「甘ぇし、さっきから食うの下手」

「…っ………!!」


お…おぉ……ぃ…

ある意味、右フックより強烈なんですけど


「あはっ♪そうだよねー。ちーちゃん、ワケわかんないままだったね」

「んっ!!」

今度は隣からフォークが伸びてきて、顔を赤くするアタシのお皿からバナナが拐われる


「覚えてないだろうけど、オレたちとちーちゃんが初めて会ったのがこのホテルでさ…モゴモゴ」


そうなのね…


「んえ…けいえいひゃお…ぎひゃ、ん」


は…!?ゴメン…


「………!?」

「まったく言えてねぇから、それ」

「あ、そう!?」


聖くん、ちゃんとゴックンしてから日本語くださーい


すると聖くんは、はむっともうひとくちパンケーキにかじりつくとピカピカの笑顔をアタシに向けた


「ドS経営者の渚くん♪」


は……?


「あと、ちゃらんぽらんな会社役員のオレ♪」


い……??




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