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ネムリヒメ.
第17章  極上スイーツ.




聖くんの名刺に書かれていたのは日本でも有数の大手IT企業の名前で…


"七瀬 聖"と刻まれた彼の名前の上には


【取締役副社長】の文字


「…………!!」


ど…

どうしよう…


「ご…ゴメンなさぃ」

「えっ!?どうしたの急に?」


だって…

だって………


こないだ熱出した時、融通が利くって言って帰ってきてくれた時も…

側にいてくれた時も…


「ふたりともこんな忙しい立場なのに、アタシに時間をさいてくれてたの!?」

「は……!?」

「え……!?」


ん………!?

アタシの言葉に渚くんも聖くんも目を丸くしている

なんか変なコト言ったっけ?


「プッ…そこかよ」


は……!?

そこでしょうに


「やっぱお前…」


渚くんはそこまで言いかけると俯いて笑い始める


「あはっ、そんなコト気にしてたの!?」

「そんなコトって…気にするよ、普通」

「そういうもん!?」


そこでデスクの電話が鳴って渚くんが席をたつと、聖くんはアタシの頭をポンポンとした


「イイコだね、ちーちゃんは…」

「へっ!?」


イイコって…

でも、聖くんなんだか…


「いいんだよ、そのくらいの融通…ワガママでもなんでもないから」

「でも…」

「仕事に差し支えなければ、どうにでも動けるし…ってそんなコト気にしてくれるのちーちゃんぐらいだよ」

「え…!?」


聖くん!?






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