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ネムリヒメ.
第17章  極上スイーツ.




「ほら、邪魔だって」

「っ、マジでうるせぇから、いい加減に…」



「んぁッ………!!」




その時…


「なーに騒いでんの!?」



…………!!


突然、雅くんの後ろからそんな声が聞こえた


「…………っ」


ヘラっと笑うその声にドクンと心臓が大きく脈打つ


「雅、邪魔っ」

「って!!」


ドカッと蹴り飛ばされバスルームになだれ込む雅くんの後ろには、見覚えのあるグレーのグレンチェックのスーツの脚

そして、栗色の髪が見えて顔を覗かせたのは聖くんで…


「へぇ…」


足下に落ちているアタシの濡れた下着と、

葵くんの腕のなかで息を荒げ頬を紅く染めたまま固まるアタシの姿を確認すると、聖くんは絶対零度の微笑みを葵くんに向ける


「懲りないね…葵くんは」


聖くん!?


「じゃあ、予想的中ってことで…」

「………!?」


扉に寄りかかったまま振り返る聖くん…


「渚くーん♪」

「………!!」


え…

その声に近くなる足音


「う…わ…」


微笑む聖くんに相反し、葵くんが苦笑う


そして、


「葵…!!」


低くどすの利いた声と共にバスルームに足を踏み入れた彼の、黒のシャドウストライプのスーツより真っ黒なオーラを纏ったその姿はまさに魔王…

全員大集合となったバスルームは、渚くんの登場によって瞬く間に混沌と化した




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