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ネムリヒメ.
第22章  あの夜の…….





「でも、勘違いしないで!?人格が多重してるとかじゃなくて、どっちも本当の雅だから」

「……………」


そう言われても、戸惑いと混乱で動きの鈍いアタシの頭には少々負担が大きいわけで…


だけど……


「自分を守るために造った誰にも触れることすら許さない鉄の仮面…」

「………!!」

「…異性に対する完璧な拒絶」

「なに…それ…」


どこか遠い目をして淡々と話す聖くんに、理解しきれてないのにも関わらず、なんだか胸の辺りがザワザワし始める


「昼間、話したでしょ!? オレと渚くんの話…」

「………!!」


"…こっちが笑っちゃうよね"

"だから…ちーちゃんみたく真っ直ぐに……"


あ……


それに雅くんも…


"オレだけに限らず…さ、まわりにいるんだよ…"

"ああいう…自分の都合のいい思い込みっつーか、外っ面でしか人間が見れねぇヤツが…"

"お前、オレが優しいとか思ってんじゃねぇだろうな"

"勘違いすんじゃねぇぞ"


同じような寂しそうな瞳をしてそう言った、彼らの言葉が浮かんでは消えていく


「ね…ああいうのが極端に悪化すると、葵くんとか雅みたくなっちゃうわけ」

「っ…!?」


黙ったままのアタシにヘラっと笑った聖くん

だけど、再び目にしたその瞳の色に胸がチクンとする


「器用な葵くんは来るもの拒まず、ヤり繰り上手のチャラ男に転生して…」

「ちょっと、聖」


笑いながら葵くんを見た聖くんに飛んでくる葵くんの声の槍




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