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ネムリヒメ.
第22章  あの夜の…….




…カランッ


澄んだ音を鳴らして、シャンデリアの光を取り込んだロックアイスがグラスのなかで宝石のような輝きを放つ


「催…眠……術?」


聖くんが口にした思いもよらない言葉に耳を疑った


「そ、ちょっとした暗示…ね」


バーカウンターに飲み物をとりに行ってくれた雅くんの背中を見つめながらニヤリと口元を歪める聖くん


でも、そんなことって本当にできるの!?


アタシは、なかなかそれをすんなり理解することができないでいた


でもそれが本当に可能であるなら…

っていうか、聖くんなら確かにそういうの、簡単にやってのけるかもしれないけど…


だけど…


"今の雅はあの日の雅"


その言葉だけは噛み砕けず、飲み込めないままだった


別人のような雅くん…


「どう…して…」


すると、


「オンナ嫌いの鉄の仮面の下は優しい王子様…」


え…


「誰にでも見せるわけじゃない…もうひとつの雅の顔」

「………!!」


アタシの"どうして"に口を開いた聖くんは、突然こんなことを言い出す


「出てくるんだよね…」

「…………」


出て…くる…!?


「泥酔レベルに飲ませると…

雅が普段、抹殺してる自我が…」

「っ……!!」


抹殺って…

殺してる自我!?


え……

理解できるような、理解できないそんな言葉







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