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第23章 　薔薇の刺、棘の鎖.

「っ…見ちゃ…い、ッ…や、ぁあ!!」


手鎖の拘束からそれを覆い隠すことは許されないアタシの肌にオトコの指先が触れた

指の這う感覚に否応なしにカラダがピクン、ピクンと飛び跳ねる


暴かれた無数の紅い華…

彼らが残した自分の存在を主張するようなシルシ…

葵くんが目につくものだけ隠してくれたけれど、色濃い噛み痕とそこらじゅうに散らされたキスマークは断然多く残されている


「酷いな…」

「………っ」


オトコの視線に羞恥を煽られ、固く目を瞑って唇を噛み締める

だけど…


「ん…ッ…ふ、ぅ…っ…んん」


抗うことはできず、すぐに唇から熱い吐息が漏れだして、無意識に腰を揺すってしまう


「ﾌﾌ…見られてるだけでイキそう!?」

「ひゃ…ッ…んん!!」


首すじ…うなじ…鎖骨…胸元…

舐めまわすような視線と優しく触れる指先が、彼らの残した紅い軌跡を辿る


「それにしても、酷い可愛がられよう」

「ふ、あっ…あ…、ぁ」

「こないまでは綺麗なカラダだったのに」

「ッんん…」

「……淫乱」


クスクスと笑い声をあげるオトコに瞳にさえアタシは犯されている気分だった


見ないで…


だけど、蔑むような言葉も羞恥までもが快感で、カラダのなかから蜜が湧きだしてきてしまう

恥ずかしいのが気持ちいいだなんて…

そんなの認めたくないはずなのに、カラダはもっと刺激を欲しがっている

欲しくて、欲しくて仕方がなくなってる