この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第23章 薔薇の刺、棘の鎖.
すると、
「さて、そろそろ時間だ…」
『は!?』
「…ッ……」
オトコは腕時計を確認しながら、電話の向こうの渚くんと目の前のアタシの両者に笑いかける
訳がわからないけれど、その言葉に背中がゾクゾクして、緊張状態のカラダを小刻みに振るわせて再び昇りつめてしまう
「千隼…鳴いたら撃っちゃうかも」
え…な、に…
アタシの耳元から脳内に響かされたそんな言葉
しかし頭がオトコの言葉を理解する前に、その指先が再び胸の頂きの蕾を押し潰した
…途端に今までよりももっとも強烈な感覚がアタシを襲う
「…ッ…ふ…」
なに…これ…ッ…!!
い、や…ッ…ぁ
強めにつまみあげるオトコの指
その刺激に、電流が下腹部に流れ込んでいって、真っ白な頭のなかで何かが爆ぜる
こんなの…ッ…
こんな、感…覚っ…知らな、い
胸の一部を触られてるだけなのに、変っ!!
カラダ芯から震えがきて、アタシを深い快楽の底に押し上げる
さっきと違う…おかしくなっちゃう!!
「ぁッ…!! ぃ…や、ッ…!!」
呼吸をするのも辛いくらいだ
声を殺すなんてもってのほかで、唇から乱れた喘ぎが溢れ出す
ダメッ…
ダ、メッ…
身悶えてガチャガチャと手錠が激しく音をたてる
そしてとうとう快楽のボルテージがその針を振り切った
「───────!!」
……!!
その時、だった。
聞き慣れない渇いた大きな音が、アタシのあげた甲高い悲鳴を掻き消した