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第4章 男の子の体

　コンコン、と二回のノック。
　反射的に脇に置いていたびーえる漫画をベッドの下へとスライディングさせた。

「開けるわよー」

　間延びした母の声。
　って、だから部屋来ないでって念を押したのに！
　漫画を描いてることは親に言ってあるけど、それがエロありびーえる同人誌ということは言ってない。言えるわけないじゃん、親になんてっ。
　だから基本、親には部屋への立ち入りを禁止してるんだけどっ。幸い娘の部屋に無断で入るような、不躾なことはしない人だしいつも平和は保たれてるけども、今日はお客様がいるから。しかも幼なじみの柚留。
　母親は可愛い柚留が大好き。家の前なんかでたまに会うと、あらぁ、柚留ちゃん！　なんて言って立ち話を始め、最低でも三十分は解放しない！　らしい。柚留も逃げればいいものを、ニコニコニコニコずっとそれに付き合ってるから。
　そんなわけで、今日は部屋に来ると思ったんだー。