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愛玩寵姫 - Dream Dolls - 茉奈
第7章 ■お屋敷へ…
「でもこれ、本当に綺麗ね。……これを着て屋敷に来なさい、ってことなのかしら」
「そうね。これはきっとあのお方の命じたことだわ。」
「あのお方って」
「蘇我製薬のトップの方。慎弥さまと洸弥さまのお父様よ」

(……どんな人、なんだろう……)

自分の家族を離れ離れにし、自分をこんな『愛玩寵姫』などというものにするよう命じたという、その人物に、茉奈は恐れを感じたが、つとめて明るく振舞った。

「じゃあ、着替えないとね。もう少しでお迎えが来るんでしょう。」
「……着られるの?」
驚いた様子の春日に、茉奈は笑って答えた。
「これでも、昔からパーティーとかには出てたから、着物くらいは自分で着られます」
いまどきの少女、といっても、もともとがお嬢様育ちの茉奈である。身なりに厳しかった母から、一通りのファッション、立ち居振る舞いについては叩き込まれていた。

「でも、振袖じゃあ、帯結びは一人だと大変。少し舞妓さん風みたいだから、少しだけ羽根をつけて、片方流しにしたいんだけど…。春日さん、お願いできる?」
「ええ、もちろん。」
「じゃあ、こういう感じでね…?」

茉奈は近くにあった紙に、自分のイメージする帯、帯揚げ、帯締めの結びを描いていく。
姉妹が成人式の着物を選ぶような、穏やかな時間がそこにあった。
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