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スケベ爺ゼウスの女の尻を追いかける旅
第7章 レートー
こうして唯一自分を迎えてくれた河からも離れ、再び放浪することになった女神は完全に途方に暮れてしまいました。


ヘーラーの禁令を受けている土地に無理に頼んで受け入れてもらおうとすれば、あのようなひどい嫌がらせが待っているのです。


そんな迷惑をかけずに子供を生むには禁令を受けていない土地を探すしかありませんが、果たして一度も陽が照ったことのない土地などあるのでしょうか……。



しかし、レートーにはそんなふうに思い悩む暇すらありませんでした。


というのも、毒液を腹に詰め込んだ恐るべき大蛇ピュートーンが普段はパルナッソス山に棲み、女神ガイアと娘のテミスが司るデルポイの神託所を守護しているはずの蛇が彷徨う女神を見つけるなり敵意を剥き出しにして襲いかかってきたからです。




実はピュートーンには


「おまえはいつかレートーの子によって殺されるだろう」


という予言が下されていたのでした。



その運命を恐れたピュートーンは子が生まれる前にレートーを葬り去ってしまおうと考え、パルナッソス山を出て彼女を捜していたのです。



身の危険を感じたレートーは慌てて逃げ出しましたが、そうでなくとも疲労困憊している妊婦が巨大な毒蛇を振りきれるはずもありません。


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