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真夜中の贈り物
第2章 教官は世界の果ての 前篇
 もしかして、職場の配属の話ではなくて、俺の身体に何か重大な病気でも発見されたんじゃないのかと、不安が胸をよぎる。

 よく考えたら、その確率のほうが高いんじゃないか?
 配属先だなんて、どうしてそんな脳天気なことを考えていたんだ俺は。

「はい……あの、もしかして何かボク、病気とか?」

 心配そうに尋ねた俺に、女医さんがニコリと笑いかける。

「違うわ。安心して……さ、お話は中で」

「わかりました」

 立ち上がる俺から一瞬だけ目を外して、その女の先生がハルカを見る。

「ハルカさんはもう少し待ってね……後で話を聞かせて」

 そう言って、ハルカに向かって目配せをしたように見えたが……先生のかけている眼鏡の反射のせいでそう見えただけかもしれない。

 しかし、そのとき少しだけ感じた違和感は、通された室内で聞かされた話のとんでもなさによって、一瞬で吹き飛んでしまった。
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