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真夜中の贈り物
第13章 童貞コロシアム

「い……一体これは……? ぼ、僕は夢でも見ているのか……!」

 まさしく我が目を疑う光景であった。
 そのとき、場内にマイクを通したアナウンスが響き渡った。

「ご来場の紳士下衆野郎の諸君っ! いよいよこれより始まるのは……氷上のイカせデスマッチ! 童貞コロシアム!」

「な、なんだって……!?」

「フフ、会ちょ~う、知ってますよ……童貞なんですよね。硬いなあ……学校で一番モテるのに彼女のひとりも作らないなんて、罪ですよ……」

 その声には聞き覚えがあった。
 陽太郎はキョロキョロとあたりを見回す。

 すると……いた。
 リンクサイド中央に設けられた透明なプラスチックボードの、オフィシャルボックス、その中にマイクを持った学生服の男子生徒の姿。

「冬馬……! なんのつもりだ!」

 立ち上がり、詰問の叫びを上げる。
 そうだ、確か意識を失う直前まで二人で生徒会室で話をしていたのだ。
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