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真夜中の贈り物
第15章 薔薇のひとつ

 フェリックスの太い腕が、ノヴァリスの背中と脚を抱き上げ、ベッドへと運ぶ。そして、投げたされたままだったドレスの上に彼女の白く均整のとれた体を降ろした。

「何をするだと? 俺は話をしようと言った。そして話は終わった。後は……そう」

 ノヴァリスの身体を覆っていた布が剥ぎ取られ、再び裸体が晒される。

「い……いやあっ……!」

「言葉の時間は終わりだ」

 のしかかるフェリックスから逃れようとノヴァリスは身をよじるが、強い男の力が瞬く間に彼女の自由を奪う。

 ベッドの上に膝立ちとなって後ろから羽交い絞めにされ、それをもぎ離そうという体勢となってようやく二人は拮抗した。

「こっ……これが正義の行いだと言うのですか! 婦女を力づくで貶めることが!」

「兵士となった身が口にする言葉とも思えんな。だが、俺は正義を奪い取りたいだけで、行いたいわけではない」

 ノヴァリスの柔らかい乳房をフェリックスの手が包む。

「うっ……あ、ああっ……!」
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