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真夜中の贈り物
第16章 ボイストレーニング
 それと同時に鏡花には最大のご褒美が。肉を割り裂く太いものが。熱くて硬い本命が。指などとは比べ物にならない、充足感を与えてくれるアレが。

 つちゅっ……ぐぷぉっ……!

(ああっ……!)

 なにものにも代えがたいその心地。征服される悦び。支配が鏡花の全身を、全肉を貫く。

(好き……ああっ……これ……挿入ってくる……私の真ん中に……全部に!)

 そして、滅茶苦茶にしてくれる。淫らな心も、清純な想いも、その全てをぐちゃぐちゃに混ぜてひとつの混濁に。それは昇華して新しいなにかを生み出すのだ。愛よりも罪深く、背徳よりも清らかな他のなにかに。

 ずちゅうっ!

 突き込みが鋭く、角度のあるものに変わった。鏡花はもう知っている。憶えている。彰のクライマックスが近い。

 胎の中で男を果てさせる歓びが湧き上がる。身体はもう子宮口を開いて受け止める準備を完了している。応えるように彰が先端をぶつけて来る。鏡花も熱悦の衝動をぶつけ返す。
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