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恋花火
第17章 Fall in love
やっと笑ったって言われたのに


すぐにまた……


「ごめんなさい……」

「え、なにが?」

「なんで私いつも泣いてるんでしょうね。本当わけわかんない……」


私が男なら、こんな女かなりウザい。


そう思うのに涙は止まらない。


私ってこんなに泣き虫だったのかな?


「涙は心の汗って言うじゃん。」

「そうなんですか?」

「うん。菜月ちゃん頑張りすぎてんだよ。」

「どこが……」

「泣きたいだけ泣けばいいよ。でも、また、笑ってよ。」


今のこの瞬間


落ちたと思った。


陸先輩に。


喉の奥がぎゅーっと苦しくなって


子宮の上辺りがキュンと熱くなる感じ。


私は言葉にするのがすごく苦手で


好きでも好きって言えずに生きてきた。


だけど今、伝えたいと思う。


たくさんの優しさをくれる陸先輩に、今。


「好きです。」


同時に溢れる涙。


"好き"という言葉だけでは伝えきれない想いが、涙となって溢れ出る。


「陸先輩……好き、好き……」


涙も鼻水もきっと出まくってる。


顔は無惨なことになっているだろう。


けれどそんな私を、陸先輩は丸ごと受け止めてくれる。


「俺も好き」


そう言う先輩の目もまた、潤んでいて。


天国のお父さん、お母さん


気持ちが通じ合うってこんなにも素敵なことなんだね


重なり合う唇は、いつにも増して激しくて


お互いを求め合い気持ちが昂ぶる。


私、この人となら


この人になら、全部あげてもいい。


心からそう思えた。


もうキスだけでは足りないくらい


もっと近づきたい


もっと愛し合いたい


ひとつになりたい


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