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恋花火
第9章 ちっぽけなプライド
これは浮気なんかじゃない。


タケルはただ見てるだけだから


茜先輩を裏切っているわけではない。


頭の中で言い訳を繰り返す。


私は狂ったように指を膣から出し入れし、床を汚していく。


「本当にやらしーわ、菜月ちゃんは。」


少し離れていたところに立ち傍観していたタケルは、少しずつ距離をつめ、ついには私に覆いかぶさってきた。


「ダメ…ダメだよタケル…」

「なんもしねーよ。」

「茜先輩が…」

「今、他の女の名前出さなくていいって。」

「そんな…あぁあっ」


タケルは覆いかぶさって、私のベトベトの蜜口にバイブレーターを擦り付けた。


「やっ…」

「じゃーやめる。」


やだやだ


やめないで


私おかしくなっちゃいそう…


ヌチュッと粘膜質な音がして、その瞬間ビリビリと骨盤内に快感が走った。


「あんっ…」

「ふっ、この顔見んのも久しぶり。」


タケルはバイブレーターを私の中に挿れた。


「気持ちいい?菜月…」

「気持ちいいよっ…、あぁんっ」


私の中に入っているのはバイブレーターなのに、タケルが覆いかぶさっている為、まるでタケルに挿れられているような錯覚に陥る。


「あっ、あっ、」


絶えず嬌声をあげてしまう。


「シー。じいちゃん起きんぞ」


そう言われても、快感のせいで抑えられない声。


私の中でウネウネと動き回るソレは容赦ない。


「……やべ、マジで挿れたくなってきた……挿れてい?」

「ダメ……」

「焦らしプレイかよ。なぁ、マジで挿れさしてよ」


今までパートナーがいる時、タケルとSEXしたことはない。


私は、タケルがフリーの時に性欲を満たしてあげるだけの都合のいい女


本当に勝手な男


いつまで私は、こんな意味のない事を繰り返すのだろう……


挿れたいってどうして


タケルには茜先輩がいるじゃん


「茜先輩がいるのに……」

「……先輩とはSEXしてない。」

「でも、キスしてた」

「それは……」


嘘をつけないタケル


一瞬泳いだ目


茜先輩を手放す気もないくせに


今タケルは性欲に支配されているだけでしょう?




そこに愛なんか


ない。



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