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恋花火
第11章 HERO
部屋につき、電気もつけずベッドにダイブする。


……私、調子のりすぎ……ていうか単純すぎない?


駅から家まで、何を話したのか覚えてない。


ドキドキしてそれどころじゃなかった。


このドキドキはきっと、お化け屋敷の準備をして、怖くってドキドキしてるだけ。


そうに違いない。


そう自分に言い聞かせた。


けれどその翌日、朝の電車でまた陸先輩に会った。


「…陸先輩」

「ん?」


ん?って…聞き返し方が可愛すぎるー!


私の中の私がうるさい。


「えと……眼鏡かけたりするんですね…」


そう、今日の陸先輩は眼鏡をかけている。


「目が悪いからね。いつもはコンタクトなんだけど、昨日妹に壊されてさー」

「妹さんいらっしゃるんですね。」

「歳、だいぶ離れてるけどね。5歳だよ。」

「5歳!?」


それは離れてるわーと思いながら会話を続ける。


どうやら、陸先輩は妹のことが可愛くて可愛くてたまらないといったご様子。


「なんか菜月ちゃんに似てるかも。」

「えっ、どこがですか!?」

「すぐ顔に出るとこ?なのに泣かないで強がったりー」


5歳の子と似てる私、それってどうなの?笑


「まー可愛いとことか?」


傷心の私に刺激が強すぎます、陸先輩!


「ほら、すぐ顔に出る」


陸先輩は、照れまくってる私を見抜いて笑ってる。


その笑顔にまた、釘付けです。
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