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恋花火
第15章 虹色の放課後
「私は…、いいよ。」


もうー!!そんな事言って!!


本当は仲良くしたいくせに!


"タケル!ヘルプミー!!"


……と、テレパシーを送ってみる。


するとタケルはハッと閃いた顔をして、こっちに近づいてきた。


よし伝わった!さすが幼なじみだわ。


そう思っていたらタケルが一言。


「茜先輩、こっちでやりましょ〜」


違う!そうじゃないそうじゃない!!


タケルは、ユリ先輩から茜先輩を守るべく登場したヒーロー気取りなんだろうけど、違うから!!


「タケル〜おまえはこっち来ようね〜」


ナイスタイミングで現れた陸先輩がタケルを捕まえた。


「ユリ、おまえ頭いいからみんなに教えてやれば。」

「陸がそう言うなら……」


陸先輩ナイスアシストです!!


タケルなんかお話にならない。笑


ユリ先輩と茜先輩は、向かい合わせの席に座った。


私は茜先輩の隣に座り、二人の仲を取り持つように……


って、私なんでここまでしてるんだっけ?


ふと冷静に考えてみる。


別に、ユリ先輩と茜先輩が仲良くしようがしまいが、私には関係のないこと。


マネージャーが仲違いしていたって、サッカーの大会にはさほど影響ないかもしれないのに。



「菜月〜真剣なう〜?」


こんな真面目な時に、タケルのふざけた声がする。


キッと睨むと、タケルはヘヘッと無防備な顔で笑った。


……あ、そっか。


私、タケルの悲しい顔見たくないんだ。


茜先輩が悲しいと、タケルもきっと悲しい。


だから、全力で助けたい


なんとかしたいって思うんだ……。


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