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第3章 変化

家に帰り、携帯を見る。
昨夜から全く携帯を確認していない。
とは言っても、仕事以外で鳴ることのなかったその携帯はこの一週間とてもおとなしい。

そう思っていたのに、昨夜遅くにメールが来ていた。

「圭太？」

懐かしい名前。

二年ぶりにメールをくれたのは、高校の同級生。
２０歳の頃に少しだけ付き合ったこともあるけれど。
どちらからともなく、自然に別れた。

それでも、時には一ヶ月に何度か、そう思うと一年も間を置いたりして。
たまに連絡をくれる数少ない友達。
たいていは圭太が彼女と別れたタイミングだということはわかっている。

懐かしさに笑みをこぼしながら、返信が遅れたことへの謝罪も含めて近況を伺う返信をする。

と、数分でメール。

結局一時間ほど、とりとめのないやり取りをして。
翌日の夜に会うことになった。

一瞬綾瀬の顔が浮かんだけれども。
何も約束をしていないのだ。
彼に溺れないためにも。
友香は自分に言い聞かせる。

友香の想像通り。
圭太は彼女に振られたらしい。