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第3章 変化
その週末、友香は圭太と隣り合わせに並んで乾杯をする。

先週のみっともない姿の挽回をしたい、と圭太から連絡がきたのは綾瀬に送ってもらった日の夜だった。

綾瀬の顔が浮かび最初は断ったものの、昔からの馴染み。
断りきれずに今日を迎えてしまった。

圭太があらかじめ計画していたお店は、いつもの居酒屋とは違い薄暗い雰囲気で。

すべての席がカーテンや扉でしきられて個室のようになっていた。
そういう二人も、濃い色に塗られた木で囲まれた席に案内された。
まるで昔の牢獄のように木の柵で仕切られ、入り口の扉を閉めるとその圧迫感に圧倒される。

席は横に並んで二人分。

カップル専用に間違いはない。
店員は30センチ四方の小さな小窓から注文をとり、そこから湯気の立つ料理を運び入れる。

お互いの顔も見えない。
ここで誰にも言えない行為にふけるカップルもいるのではないかと疑ってしまうような空間。

最初はお互い面食らったものの。
ここで意識していることを悟られまいと、二人とも笑顔をつくりそこに座った。

けれど、少し動けば肩が触れてしまいそうな距離感は、お互いの心も縮める。


そんなつもりはなかったのに。
圭太はいつもとは違う顔を見せていた。
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