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第3章 変化

「ね？友香」

にんにくの効きすぎる、けれども〆にはちょうどいい味付けのチャーハンを食べながら、圭太が突然真面目な声色になった。

「今、付き合ってる人、いないんだよね？」

「ん？えっと、なんで？」

綾瀬の顔が浮かぶ。

でも。

あの関係をなんていうか、友香には分からない。

「その反応は、もしかして気になる人でもいるの？」

何年振りだろう。
まさか、この歳になってそんな質問をされるなんて思ってもいなかった。

「てか、何？どーしたのー？」

なるべく平静を装って言うけれど、圭太の表情がいつもと違って、なんだか大人びて見える。

「俺、いろんな女の子と付き合ってきたけどさ。やっぱり俺のことわかってくれるの、友香しかいないと思う」

その口を、塞いでしまいたい。

「こんなに普通に気を遣わないでいられるのも友香だからだし」

もう、それ以上聞いてしまったら、戻れなくなる。


友香は、気がついたら圭太の目の前にあったジョッキをつかんだ。
まだ数センチしか減っていなかったその飲み物を、グビグビと流し込む。


「わたしは圭太と、そんな話したくない」