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純の恋人
第7章 真実の破片
 
 松永さんが途中から見舞いに来なくなったのは、国重さんを探っていたからなんだろう。宮城さんや田中さんを調べるのと違って、少ない情報から探し出すのは手間がかかる。ただでさえ忙しい身なんだから、そうなると私の見舞いに来る暇もなくなる。松永さんの行動には、全てつじつまが合っていた。

「ところで、一つ聞きたい事がある。お前達、事故の遭った直前にストーカーの証拠を見たと言ったな。その証拠、今はどこにある?」

「どこって……真子?」

 松永さんが視線を送ると、姉は首を傾げる。

「まー君が持ってるんじゃないの? いつの間にかなくなってたから私、まー君が持って行ったんだと思ってたけど」

「僕が持っていける訳ないだろう。部屋の合い鍵を持ってるのは、真子なんだから」

 二人のやり取りに、私は血の気が引く。やっぱり部屋には、招かれざる客が足を踏み入れているんだ。しかも、状況を考えれば、私が事故に遭った後だ。

「部屋の合い鍵を持っている人間は、どれだけいるか分かるか?」

「それは、私と実家だけだと思います。合い鍵を渡すような仲の方は、私の知る限りではいませんでした」
 
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