この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
純の恋人
第10章 国重一の後悔
 
 純が崩れ落ちそうになったのを支えながら、俺は土居の様子を窺う。手錠を掛けられるというのは、案外精神に響くものだ。暴れるかと思ったが、呆然とするばかりで大人しいものだった。

「どうして逮捕状が出たのか分からない、って顔だな」

 俺が声を掛ければ、土居は八つ当たりか俺を睨む。だが両脇を刑事に囲まれては、それが精一杯の反抗だったようだ。

「今日が何の日か、知らないか? 選挙の、投票日だ。もう、結果は確定した頃だろう。吉川の時代が終わり、松永 雅樹の政治が、今日から始まる」

 土居の盾を繋いでいたものは、金だ。純の父親が娘を人身御供とし、事件を隠蔽したのは病院が献金するから。つまり吉川が権力を失えば、関係は解消される。警察への圧力も無効になるのだ。

「松永 雅樹は本人が美形、経歴もエリートでバンドのリーダーだった事を取り上げられて知名度も抜群だった。期日前投票での人気を見ただけでもはっきりする。吉川は負けるってな」

 だが落選した吉川には、まだ光明がある。松永の側には、吉川の娘が二人いる。松永に擦り寄り機会を窺えば、また権力を手にする日も夢ではないだろう。
 
/246ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ