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第4章 Can I help?

「それ・・・は」
「好きになったから、好きになってほしいとは言いません」
「え・・・・」

「私を拒絶しないで、今までのように接してくだされば十分です」
「・・・・」

「もし・・・愛という感情がなくても。
岡部先輩の中で順位を付けた時に家族以外の女性の1番が私であれば・・・
それで結構です」

「なんだよ・・・それ」

乃恵が俺の言葉に小さくビクッとした。

「普通は、愛したぶん、愛してほしいと思うだろ？
それが普通だろ？
同じぐらい愛してくれないと、やがて寂しくなるんだ。
そして、愛していたはずの相手を憎むようになるんだ」

「・・・・」

「無償の愛なんてあるわけない。
人は心のどこかで、愛したぶん愛されたいんだ。
人間は愛にどん欲な生き物なんだよ」

俺の言葉を一語一句逃さないように
じっと聞き入った。

「無償の愛、だとは思っていません」
「俺は乃恵に愛を返せない！」

「今のままで十分、愛されていると感じます」
「は？」

「愛は色々な種類があります。
私を女性として愛せなくても。今まで通り、守ってくださるなら。
後輩として愛されているように思えます。
そして、その種類の愛が、他の女性に向けられないものならば。
私は、それで満足できます」

満足という名の諦めじゃないのか？