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言われてみれば、単純で。
第3章 俺と君は、曖昧で。01
今日もまた、相変わらずの土曜日。

いつものようにいつものソファに座っている。
今日はとても天気がいい。眩しすぎる太陽を眺めてから此処に来た。

キョーちゃんは珍しく本を読んでいない。
床にうつ伏せになってクッションに顎を乗せて日の当たる場所でゴロゴロしてる。
一方俺はソファで本を読んでいる。

そうしているとキョーちゃんが自分の横の床をとんとんと叩いた。
どうやらこっちに来いという事らしい。

本を閉じて彼女の横に座る。
しばらく何も話さないでじっと日向ぼっこを楽しんでいた。

珍しい事にキョーちゃんがその沈黙を破る。

「そう言えば、丹羽先輩はどうして一人暮らししてるんですか?」

「俺なかなか結婚しないからさ。弟が嫁さんと子供連れてきたんだよ。
 親父の家業も継ぐってさ」

弟は家業と同系列の仕事をしている。
元々そのつもりではなかったらしいが成り行き上そうなったらしい。
それに引き換え俺は全く違う職業だ。

話を聞いても分からないし分かろうともしない。
自分の知らない話で盛り上がるふたり。
それが嫌だったのもあるのかもしれない。


「丹羽先輩ってば仲間外れなんですね」

まあ、確かにその通りだけどそれじゃかっこ悪いでしょ。
俺はそれに続けて1番の理由を彼女に伝えた。

「その上さ、じじばば、俺の両親ね。
 マジで孫フィーバーで俺の居場所なくなって。動物園だよ、うちの中。堪えらんなくてさ」

うん。これだよな。
子供というものはどうしてこうも動くのだろう。
少しでも構ってやると俺の体力をゼロにさせるまで付き合わされる。

構う俺も俺なんだと思うけど。
苦手と分かっていながらも傍にいると、構ってあげたい気持ちになる。

うるさいのは分かっていても、一緒に居るとあまり苦じゃない。
ただ、其処から開放された後の疲労感が堪らなく嫌なだけかもしれない。
だから実家に帰ることすら、最低限にしたい。
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