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言われてみれば、単純で。
第4章 俺と君は、曖昧で。02
金曜日の27時。言い換えれば土曜日の午前3時。
キョーちゃんは俺の水滴の落ちる髪を見て早く乾かせと怒っている。
些細な嫌がらせが成功したことに喜んでいると彼女はソファに座る俺の目の前に立つ。

「丹羽先輩。そういうとこは変わってないですね」

「なにが?」

「大雑把なとこです」

自分が大雑把だと思った事はないが彼女が言うならそうなのだろう。
呆れ気味に俺の首にかけていたタオルを頭にのせてがしがしとタオルドライされた。
距離が近い。

その後はドライヤーで髪を乾かされ、トリマーに扱われてる犬みたい。

「犬みたいですね」

「今俺が思ったこと、口に出すのやめてよ」

「ちゃんとオスワリしててください」

「はいはい」

キョーちゃんから石鹸とシャンプーの香りがした。

こんなことしているが、俺達の関係は未だに清いままだ。
20なんて疾うに過ぎたの男女がこんな関係で1年を過ごしてるなんて数年前の自分にとっては有り得ないことだ。


何故こんなことが起きたのかというと1時間前に遡る。
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