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言われてみれば、単純で。
第4章 俺と君は、曖昧で。02
土曜日。いつもより少し念入りに掃除をした。
床に散らかっていた本を本棚に片付けているところでキョーちゃんがやってきた。

「お邪魔します」

「どーぞ。どーぞ」

「これケーキです」

「ありがとう。俺ケーキ好き」

「色々悩んじゃって4つ買ってきたので先輩に3つあげます」

「そんな食べれないよ」

「好きなら食べられますよ」

「うん。じゃあ半分こしよっか」

「私は一口貰えば其れでいいです」

キョーちゃんの手土産を預かってとりあえずリビングへ向かった。

うちはリビングダイニングの窓際にソファとローテーブル。
キッチンに向かい合わせのカウンターテーブルがある。

彼女をソファのほうに案内してキッチンにある冷蔵庫にケーキを入れてから飲み物を準備する。

「適当に座ってて。
特に気にしてないから、リビングで煙草いいよ」

「ありがとうございます。
うちは賃貸なのでいつも御迷惑かけて申し訳ないです」

「いいよー。
なんかそれがキョーちゃんちって感じして好きだから」

「変な先輩」

「キョーちゃん、珈琲飲める?それか紅茶?」

「何でも飲みます」

「よかった。茶葉なんてないからね」

「じゃあなんで聞いたんですか?」

「なんか聞いた方が優しい感じするから。
ついでにキョーちゃんが何でもいいと言うのも予測済み」

「そういうことは内緒にしておくものですよ」

「そうだね」
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