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ハルにサク花
第2章 第1話


タッタッ……ドンッ…ドサァ…


私の抱えていた本が床に散乱する


「あっ…ご、ごめんっ!」


「…大丈夫」


そうつぶやくように言い、私は無言で本を拾った


「本当ごめんな、怪我なかった?」


本を拾いあげる申し訳なさそうな顔が目の前にあった

私は反射的に距離をとる


「えぇ」


「はい」


差し出された本を無言で受け取る


「あ、お詫びにそれ持つよ」


笑顔で手を差し延べられる

私は嫌悪感を抱いた


「いい、持てるから」


くるりと向きを変え、その場を去ろうとする

すると、後ろから大きな声がした


「同じ学年だよねっ!?名前はー?」


「…橘」


「橘かっ!俺は北沢時雨!今度絶対お詫びするからっ!約束なっ!」


返事をせず、私は再び歩き出した


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