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ハルにサク花
第2章 第1話
「昨日はごめんなっ!」
「…いいえ」
できるだけ早くここから立ち去りたかったから、
小さく返事をしてトイレへ向かう
すると、彼は子犬のようについてきた
「本、好きなの?」
「…えぇ」
「どんな本?」
「…色々」
周りの視線も、目の前の彼も、
みんな嫌になってくる
私は足を少し速めた
「じゃあさ…っ!」
不意に、彼がつまづく
さっきまであんなに笑顔だったのに、
豆鉄砲をくらった鳩のような顔になっていた
「…ふふっ」
思わず笑ってしまった