この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ一つの一対
第11章 オマケ 奇跡の少女
 
「でも、本家に戻ってもいいって言われてたでしょ。あたしとか蓮に気を遣ってるなら、遠慮しないで戻ってもいいんだよ」

 跡を継ぐなら、離れて暮らすよりも本家へ戻る方が近道である。だが菊は、首を横に振ると菖蒲の肩に手を回した。

「今のあの人は、孫可愛さに言っているだけです。究極蓮さえいれば、僕などいらないんですよ。それでは、駄目なんです。僕自身が、奴に認められなければ」

「パパは、そういうところ真面目だね。大丈夫、きっと全部上手くいくよ。だって、パパは強いから――」

 菖蒲は身を寄せ目を閉じ、二人分の幸せを感じる。則宗の態度に変化が現れたように、明日明後日に変わらなくとも、十年後はどうなっているかは分からない。遠い未来、菊がどこにいるのか。傷付き血や涙を流しても決して膝を付かなかった姿を見れば、菖蒲に不安はなかった。

 新たな命は、この瞬間も成長し続けている。年を越え、長男として生を授かる『一文字 椿』が産声を上げる日も、すぐそこへと迫っていた。



おわり


 
/219ページ
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ