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第13章 動揺 -理香side-
‘ ずっと好きだった ’
半沢さんの一言が頭の中でこだまする。

唇に残るキスの感触。

祐樹とのキスとは、全然、違って。
不思議と嫌ではなくて、嫌だと思わなかった自分に戸惑う。

半沢さんは憧れの先輩で、いつも私を助けてくれる。
‘ お兄ちゃん ’ のような存在だった。

祐樹と再会していなければ、喜んで半沢さんの気持ちを受け入れたかもしれない。


心の中がぐちゃぐちゃで、考えがまとまらない。
とりあえず、荷物をまとめて事務所から出よう。

はぁ。
家に帰る気にも、祐樹に連絡する気にもならず…。
私は ‘ dining bar HANA ’ に向かった。

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