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月 ~優香~
第25章 嘘 〜健一〜
あの日、理緒は、教室の窓際の席に座り、外を見ていた。

「理緒、そろそろ説明会始まるぞ。何ボーとしてるんだ。」

振り向いた理緒の瞳は、真っ赤だった。


俺は思わず、理緒の腕を掴み抱きよせた。

理緒は、抵抗することもなく、俺の胸の中で、震えながら泣いていた。

いつしか、理緒の嗚咽が止まったころ、俺は、口走っていた。


「晃なんて止めておけよ。俺なら、理緒をこんな風に泣かせたりしない。」


二度目の告白だった。

理緒の身体が急に硬くなり、俺を両手で押しのけた。


「健一は、知っていたの?」

「イヤ、知ってたというか。。。気づいてた。。。」

「いつから?」

「いつって。。。?覚えてないけど。。。

そんなことより、そんなことで苦しむなよ。

晃なんかより、俺の方が何倍も理緒を幸せにできる。

あんな奴、別れろよ。」



理緒は、俺からすっかりと離れると、首を振りながら、



「晃は、ただ優しすぎるだけ。断りきれないのよ。

一番苦しんでるのは、いつも晃なのよ。」


「いつもって。。。?こんなことよくあるのか?」

「そうね。前にも一度あったわ。」

「お前。馬鹿じゃないのか?

何でそんなの許しておくんだよ。

何でそんな奴についていってるんだよ。

男は晃以外にもいくらでもいるだろうが!!」



俺はいつしか興奮して声を荒げていた。



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