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月 ~優香~
第32章 オニキス ~優華~
「なんだよ。お揃いのピアスなんかして、見てらんね~」

「いいんだよ。俺は、姫のモノなんだから。。。お揃いで何が悪い!!」

「惚気まくりだな~。聞いてらんね~。」



部員たちが、口々に、健一をからかっていた。


部室の外で、皆が着替えるのを待っていた理緒さんが、私の顔を見て、くすりと笑う。


「優華ちゃん。オニキスの石の意味知ってる?」



「そう言えば、健一に聞いても教えてくれなかったんです。

どういう意味があるんですか?」



「ふふっ。恋人に送るとね、浮気防止とかね。悪い虫がつかないんだって。

そのピアス、晃と私も健一に連れられて、一緒に選んだの。

晃も私も、『絶対優華ちゃんには、ピンクサファイアがいい』って言ったのよ。

でもね、店員さんが、オニキスの意味を教えてくれた途端、

健一ったら、『ダメだ。姫が他の奴に付きまとわれたらどうするんだ!!これにする。』って、

全然私たちの言うこと聞いてくれなかったの。愛されてるのね。」



「はぁ~浮気防止ですか。。。」



私は、何て返したらいいのか分からず、左耳のピアスを触った。


健一ったら、あんなに大きな体格して、時々子供みたいなところがあるからなぁ。

まぁ、それがかわいく見えたりするんだけど。。。

私は、顔がにやけるのを止められなかった。




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