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写性 …SHASEI…
第53章 薔薇と百合
「関係ないわよ、それを撮る訳じゃないから…」

「「いや、Saeは、それを撮ってる」」

「何で二人してハモって言うのよ。」


「まぁ、今日でラストじゃないんだし、とりあえず撮ろうぜ。」

「どうしても?」

「「うん。」」

私は、愚図る子供のようなボブを撮る。

「わかったよ。」

ガタン…

ガウンを着たままボブが立つ。そしてツカツカと壁にいく。

クルッと振り向くと両手を垂らし、指先を軽く丸める。
爪先を外側に向けて美しいポージングをした。

カシャッ…

思わずシャッターを切る。

「ボブは子供のころバレエ習ってたんだって…」

ジョンが耳元で囁いて教えてくれた。

片手をゆっくり上げながら、視線を指先に移していく。

そして片手でガウンを脱いで放り投げた。

「ちゃんと勃ってんじゃん。」

「Saeの昼間の姿を思い浮かべたらね。」

「やめてょ…」

その後もボブはバレエの美しいポーズをとっていった。

静かに美しく妖艶なボブが沢山撮れた。

深紅の炎と静かな青の炎、双子と想うときもあれば、全く正反対の色を魅せるJBに私は囚われて、いや離れられないと再確認した。

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