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第1章 恋

そんな私をじっと見つめて
「じゃぁ、頼もうかな」
と、悩殺するような笑顔を私に向けた。

なんで。こんなにカッコよくて、仕事ができるのに。
フラれちゃうんだろう。

うん。絶対に私が改善してあげる！

「はい。頑張りましょう！」

「じゃぁ、まずは俺の事をよく知ってもらって
それで悪い点を教えてもらうってやり方で良いかな？」
「もちろんです！絶対に女の子が我慢できないというところがあるのかもしれません！」
「なるほど。気がつかなかったな」

手をあごに当て、真剣に考える清水さんは軽く酔っているはずなのに
それでもものすごくカッコいい。

そんな清水さんを見て宇野さんが大声で笑いだした。

宇野さんは。確か学生時代から付き合っている彼女がいるって。
だから、清水さんや私のように
お付き合いが上手くいかない人の気持ちなんか分からないのよ。

「じゃぁ、渡辺さん頼むよ」
「はいっ！任せてください」

「渡辺さん、下の名前は？」
「真子ですけど？」
「真子ちゃん、ね。いつも彼女になった子には名前で呼ぶんだけど
それって正解かな？」
「いいと思います！」

「じゃぁ、渡辺さんの事も真子ちゃんって呼ぶ事にしよう」
「え？私の事ですか？」
「そうだよ。それで嫌に感じる事があるとしたら教えて」
「ああ。分かりました！」

宇野さんと柳下さんがそんな私たちの会話を聞いてずっとクスクス笑っている。
失礼な！
私と清水さんは真剣なんですよ！