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第1章 恋

「宇野さん。柳下さん。私たちは真剣なんです。
笑うなんて失礼ですよ」

そう言うと清水さんも
「そうだぞ。お前たち失礼だ」
と言って
「真子ちゃん、こいつらと一緒にいても話が進まない。他のお店で作戦を練ろう！」
とたちあがった。

「分かりました。谷城さん、今日は誘っていただいてありがとうございます！」
「いいえ」

「じゃ」

清水さんはそう言うと、私の分も払ってくれて
「よし、店を変えよう」
と私たちはお店を出た―――


２人が店を出た後、その席では宇野君と柳下君が
我慢が出来ない。というように大笑いした。

「ちょっと、大丈夫なの？あの二人」
と、響子ちゃんが心配した。
「う・・・ん。まぁもともと清水君のリクエストで渡辺さんを連れてきたから
上手く行くなら、それでいいんだけど」

「あっはっはっは。谷城、あの子天然？
仕事のプレゼンで上手く採用されなかったことを営業ではフラれたって言うんだよ。
それ知らないで、女の子にフラれたと勘違いしてるよね？完全に！」
宇野くんも笑いが止まらないようで。

「清水なら、渡辺さんをいい加減に扱わないだろ」
と柳下くんも苦笑いだ。

「しかしあの子清水が連れてきてって谷城に頼んだんだろ？
清水の趣味も変わってる」
「そんなことないよ。渡辺さんいい子だよ。
ただちょっと、暴走しちゃうのよね」

と、仕事の事なんかも思い出して苦笑いすれば

「お互いが運命の人ならうまくいくさ」
なんて柳下くんは楽観的だ。