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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第6章 少女達の気持ち
「こんばんは藤園君」
「何だよ、その気持ち悪い挨拶は」
「キャプテンが他の挨拶を知らないのかって言うからさ」

 いつも通り窓枠を超えて部屋に入ってくる。
 ふんわりと部屋に漂う女子の匂い。頭の中の美緒ちゃんの淫らな姿と混ざる。

 ああ、また美緒ちゃんのエッチな姿。しかも今は目の前に別の女の子がいるのに。
 俺って本当に最低な男なんじゃないのか…?

「何だか元気ねーな。何かあったのか?」
「…別に」
「明日も練習だぞ。そんな顔で大丈夫なのか?」
「うるさいな、大丈夫だよ」

 思わず出てしまった尖った声。
 やばい。ヤンキー女にこんな声出したらどんな仕返しをされるか。

 でも、何の文句も罵声も飛んでは来なかった。
 池内は少し寂しそうな顔をしていた。

「池内、あの…ごめん」

 すす、っと池内が膝を滑らせて俺の横に並ぶ。

「あたしはそんなに役立たずかな?」
「え?」
「何か悩んでんなら言えよ」

 さらり、と池内の長い髪の毛先が俺の手のひらをくすぐる。

 そのかすかな感触で俺は自分を見失った。
 まだ頭の中には美緒ちゃんのエッチな姿が居座っていて、そのせいで股間も熱いまま。

 そんな想像ばかりする自分への嫌悪と、親友のヒデへの気持ち。

 気が付けば俺は池内を強く抱きしめていた。

「お、おいキャプテン」

 柔らかくて暖かい体を抱きしめると、ぐるぐる回っていた頭の中の黒い靄が消えていくような気がした。

 人の肌のぬくもりって安心させてくれるんだな。

 抱きしめた池内の腰は細い。池内も抱きしめてくれた。

「…しょーがねぇキャプテンだな」

 半分からかうように、もう半分は嬉しそうに笑いながら俺の体を強く抱いてくれた。
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