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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第6章 少女達の気持ち
 我に返った俺がオロオロとティッシュで池内の体に飛んだ精液を拭き取っていると、しなやかな腕が伸びてきて抱きしめられた。
 いつもより熱い池内の吐息が耳にかかる。

「…強引だな、キャプテン」
「ご、ごめん…」
「いいよ。許してやる。そのかわり、あたしを全国へ連れて行け」
「…全国」
「あたしの処女を奪ったんだ。それくらいはしてもらうぜ」
「え…しょ、えっ?」
「今のがあたしの初めてだ」
「…ごめ、んっ」

 最後まで言えなかった。池内の唇が俺の口を塞いだ。

 俺は何て馬鹿なんだろう。池内は何度も俺に気持ちのいいことをしてくれた。だから処女じゃないって勝手に決め付けてた。
 こんなに美人だし不良だし、セックスくらいしていて当然、とそう思い込んでいた。

 俺は美緒ちゃんだけでなく、池内にもちゃんと向き合えていなかった。

 どんな気持ちで池内が今まで俺の部屋に来ていたか。どんな気持ちで初体験を迎えたか。

 馬鹿で鈍感で愚図で馬鹿な俺にもそれくらいは想像出来る。

 そんな俺を許すかのように、池内のキスは長く長く続いた。
 優しく舌を絡ませ唇を啜る。

 ごめん、池内。俺、馬鹿で本当にごめん。

 長いキスの後、俺に寄り添って池内は言った。

「あたしにも夢を見させてよ。あたしが見れなかった夢を。あんた達で」

 それは池内の心の声。心からの願いだった。

「お願い…」

 もう一度、小さな声で。
 でもはっきりと。

 池内は言った。
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