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痴漢脳小説 ~秋津高校サッカー部~
第7章 目指せ全国! 選手権予選開始!
「ファイト~!」

 美緒ちゃんの明るい声が飛ぶ。秋高の初戦となるトーナメント二回戦。会場は施設の整った県内の大学のサッカーグラウンド。

 対戦相手は蕨高校。インターハイ予選での実力が発揮出来れば問題のない相手だった。

 実際、何の問題もなかった。
 相手校には申し訳ないが、はっきり言って敵じゃなかった。

 六-〇という圧勝だった。
 FWのヤマが二得点。俺が二得点。オカとヤスが一得点。

 続いて三回戦。VS春日部高校。

 四-〇でまた圧勝。
 ヤマが二回戦に続いて二得点。俺が一点。後半から出場のイソが一点。

 この試合、前半だけでヒデは退いた。ヒデのいない後半戦、俺達は二得点をあげた。

 ヒデがいなくても戦える。俺達の力だけでも勝てる。そんな自信が俺達に芽生えていった。

 というより、ヒデはこの大会、意図して力を抑えている。ここまでヒデの得点がないのを見てもそれが分ってもらえると思う。

 ヒデはインターハイ予選での自分の不調からの敗戦をまだ悔いていた。
 だから自分がいなくても戦えるチームを作りたかったのかもしれない。

 その気持ちが俺達にも伝わってきて、俺達も必死で戦った。
 そして、俺達に芽生えた自信。負け続けの頃にはちっとも持つことが出来なかった自身。
 その自信が俺達のサッカーをさらに躍動感溢れるものにしてくれている。
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