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君へ贈る愛の唄
第3章 金縛りの夜

真夜中。
耳鳴りがジンジンし始めると同時に、
この部屋へスーッと「誰か」が入ってくる。


「うっ…」

意識はあるのに、身体がいうことをきかない。
金縛りだ……。


ぞくぞくと寒気さえ覚える。
夢と現実の狭間。

布団がめくられ、私に覆い被さるその影は…。


最初はとても信じられなかった。
こんな事があるのかと。


私の耳元で囁くその声は…。


《…あや…来たよ。今夜もいっぱい愛してやるからな…》


「…修二さんっ」

修二さんが亡くなってから14年たつが、
時々こうして私の元へ現れて、


私を抱くのだ……。


パジャマのボタンを外される感覚がわかる。
相手はこの世の人ではないのに、とてもリアルで生々しい。


身体中を這う舌と指に、私は仰け反り悶える。
これは間違いなく、修二さんの愛し方だった。

「あぁ…っ…ん」


《…あや…そんなに感じるのか?…》

「はぁ…っ」


修二さんの"霊"に与えられる快感の波に、ついに私は昇り詰めた……。

《…たくの面倒をみてくれて、ありがとう…》


「そんなの…当たり前でしょ?私は拓也と元気に暮らしてるわ。ただ、あなたがいないのが…悲しい…悲しいのよ…っ…」
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