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君へ贈る愛の唄
第11章 彩音の選択
拓也side
「おい拓也!いい加減飲むのやめとけ、ぶっ倒れるぞ!」
良太が心配そうにオレを見つめる。
「いくら飲んでも、酔えないんだよな」
オレはまた焼酎をグイッとあおった。
ここは良太の一人暮らしの部屋。
目の前には酒の空缶が何本も並んでいた。
母さんがいなくなった……。
起きるとテーブルにはオレの朝食だけが用意されていて、母さんの部屋から衣類と化粧品がなくなっていた。
ーーーー
「もしもし、ばあちゃん?
母さんがどこへ行ったか、知ってるんでしょ?教えてくれよ」
『たく…。おばあちゃんも知らないのよ、彩音さんがどこへ行ったのか』
「知らないって、どういうことだよっ!?」
『これは彩音さんが決めた事なの。お見合いをしないかわりに、1人で生きていくって…』
「そうし向けたのは、ばあちゃんだろうがっ…!
なんで、なんでほっといてくれなかったんだよ。オレ達、あんなに楽しくやっていたのに。母さんが何をしたって言うんだ?
こんなのあんまりじゃないかよ!
オレばあちゃんの事、一生許さないからなっ」
『たく待ってちょうだい!』
ーーーー
母さん。
母さん…。
ごめんな、
なんにも知らなくて。