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君へ贈る愛の唄
第12章 守るべきもの
そこはシャンデリアがきらめき、革のソファが並ぶサロン。
飲み物を運ぶボーイさんや、華やかなドレスを身にまとった美しいホステス達が店内を行き交う。
「いらっしゃいませ」
「よっ、あんりちゃん!いつも色っぽいね〜。さあさっ、早く座って座って」
「はい、失礼いたします」
私はお客様の隣りに座り、お酒をつくり始めた。
カラン、トクトク…。
「では、」
「乾杯っ」
そして私は終始営業スマイルを浮かべ、お客様とお話をするのだ。
ここにはさまざまな人がやって来る。
サラリーマンから社長、文化人、芸能人などだ。
そのため私は毎朝新聞記事を読んで、話題についていけるよう勉強しておかねばならなかった。
結構、ハードな仕事なのだ…。
しばらくすると、店のママがやってきて私に言う。
「あんりちゃん、ご指名の倉田様がお待ちなの。ここは私が」
「わかりました」
「あんりちゃん、また戻ってきてくれよ〜?」
「ええ、戻ってきますよ。また後ほど」
私はその場を交代すると、次の席へと向かった。